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とりあえず dayly teto

いい加減が、よい加減。
織ったり、染めたり、紡いだり。

教室 始めました。(2007.01.27) *只今お休み
net-shop『つき に まく』始めました。(2009.04.01)

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べっぴんウールがまきものになるまで

2013/01/11(Fri)14:27

羊毛が糸になり、布になり、誰かを包む。
かいつまんで、お伝えしたいと思います。

羊毛は毛刈りした状態で私の手元に届きます。
でも、その前にいろんな方の手を経ています。
美しい毛を保つため、のびのびした場所で育てたり、
服を着せて守ったりしてくれている牧場主さんもいらっしゃいます。
1年かけてののびた毛を、暑くなる前に毛刈りして、
羊毛の目利きの方が状態を把握して、
用途に合った毛を選別、輸入してくれて
やっと購入できる機会が整います。

手元に届いた羊毛は、けもの臭があり、脂がのってて、
生命力あふれています。

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お湯につけて、汚れを落とします。
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そして、こびりついた汚れは細かく部分洗いも。
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洗い終わったら、脱水して干しましょう。
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丁寧にふかふかにほぐして干さなきゃ、
絡んでフェルトみたいになっちゃいます。
徹夜しても、ほぐすのだ~!


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ゴミも取りましょうね。

これから、糸にする作業。

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カーダーという繊維を整える道具に数回かけます。
その前に、毛が傷まないように、またほぐすのだ!


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短い毛、絡まっている毛、草・・・、取りながら。

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必要分の羊毛をロールケーキのような形にまとめる。
本当はきりたんぽのようにちっちゃいロールでも紡ぎやすい。


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紡ぎ車ですーるする。「糸にな~れ」とすーるする。
糸をデザインする。
長い糸にすることで、モノをつくる可能性は広がる。
撚りをかけ、糸に強度を持たせることでさらに広がる。
紀元前から、世界の各地で
糸のように脈々と伝わっているスペシャルに魅力的な技術。


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紡いだ後は、糸の撚りを止めるために木枠に巻き取る。

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蒸す。そして、乾かす。

こうして、やっと糸が生まれる。


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織る。
まず、タテ糸の準備。
織り幅や密度や長さを計算して、

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タテ糸、整経(せいけい)。

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1本ずつ、すきまに入れる。

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筬(おさ)、セット。
チビまきを織る予定。


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順番に綜絖(そうこう)に通す。
足を踏みかえ、タテ糸を上下させ、織ることができる。


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織る。

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どんどん織る!

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房もつろう。

織れたら、縮絨(しゅくじゅう)。
繊維のストレスをゆるめて、周りと絡めて、
「線」から「面」をつくる。
こうして、強く軽い布になっていく。

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お湯に浸けて、たっぷり水分を含ませた後、
まず、房づくり。
ひとつひとつ、羊のしっぽみたいに形を整える。


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やさしく縮絨。丁寧に縮絨。
水のチカラを借りるのだ。


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形を整え、干す。

こうして、べっぴんwoolのまきものができあがります。
ペロンと脱いでくれた羊さん、ありがと。
大切に届けてくれた方々、ありがと。
「手をかける」ということは、
ひとつひとつの作業に心をよせること。
でも、紡いで織っただけでは、ただ毛が布に変わっただけ。
使ってもらうことで、
やっと「暮らしの布」が生まれ、
「生きた布」として育つような気がします。

羊毛は、調湿し、燃えても炭化し、
軽くて、しわになりにくい。
臭いや化学物質を吸着する効果もあるとか。
そんなできすぎ君の素材が、1年ごとにはえてくる!
素晴らしいよ、羊☆

ご縁があれば、使うほどに生命力を吹き込まれたように
いきいきと心地よくなっていく羊モノを楽しんでみてください。







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No.405|紡・織・編Comment(0)Trackback

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